「現代文はセンスだから、勉強しても意味がない」「対策のしようがない」 そんな風に考えて、現代文の勉強を諦めてしまっていませんか?確かに、何をすれば点数が上がるのか分かりにくく、モチベーションを保ちにくい科目かもしれません。
しかし、現代文の成績が伸び悩むのには、センス以前に文章を読む上での明確な原因が存在します。それは、多くの人が無意識のうちにやってしまっている「読み方のクセ」です。
この記事では、あなたが無駄な努力から抜け出すために、成績が伸び悩む人に共通する4つの原因を指摘します。もし一つでも当てはまっていたら、そこがあなたの成績を伸ばす最大のチャンスです。
原因1:自分の「感想」や「意見」で文章を読んでしまっている
最も多いのがこのパターンです。文章を読みながら、「なるほど、分かる分かる」「いや、それは違うでしょ」と、自分の考えや経験を差し挟んで読んでいませんか?
一見、深く読めているように感じますが、これは筆者の主張を正確に読み取ることの対極にある行為です。現代文の試験で問われているのは、あくまで「筆者は何と言っているか」であり、「あなたはどう思うか」ではありません。自分の考えというフィルターを通して文章を読むと、筆者の主張をねじ曲げて解釈してしまい、設問の選択肢を的確に判断できなくなります。
- 改善のヒント: 自分の意見と筆者の意見を切り離し、「とにかく筆者の言い分を正確に理解する」という姿勢で読む練習をしましょう。
原因2:目で追うだけ。「線を引かずに」読んでいる
教科書や問題集が綺麗なままの人に、現代文ができる人はいません。文章をただ目で追っているだけの「受け身の読書」では、内容の論理構造や対比関係が頭に残りません。
なんとなく全体を読んで、「さて、問題は…」と設問に移ったとき、結局もう一度本文に戻って探し直す、という経験はありませんか?これは、文章のどこに何が書いてあったかを把握できていない証拠です。
- 改善のヒント: 「しかし」などの逆接の接続詞に印をつける、具体例のかたまりをカッコでくくるなど、自分なりのルールで文章に印をつけながら能動的に読むクセをつけましょう。
原因3:「接続詞」や「指示語」を読み飛ばしている
「しかし」「つまり」「たとえば」「これ」「それ」 こうした言葉は、文章の道案内をしてくれる重要なサインです。これらを読み飛ばすのはナビを無視して運転するようなもの。話の展開を見失い、論理のつながりが分からなくなってしまいます。
特に、段落冒頭の「しかし」の後には筆者の主張が、「たとえば」の後には具体例が来ることがほとんどです。これらのサインに注目するだけで、文章のどこが重要でどこが補足説明なのかが驚くほど明確になります。
- 改善のヒント: 接続詞や指示語が出てきたら、少し立ち止まって「何と何をつないでいるか」「何を指しているか」を考えるクセをつけましょう。
原因4:そもそも「語彙力」が足りていない
評論などで使われる「抽象」「捨象」「形而上」「アイデンティティ」といった言葉の意味を、あなたは正確に説明できますか?
当然ですが、知らない単語ばかりの文章は正しく読めません。一つ一つの言葉の意味が曖昧なままでは文全体の意味もぼんやりとしか理解できず、正確な読解は不可能です。フィーリングで読み進めても、選択肢の微妙なニュアンスの違いを見抜くことはできません。
- 改善のヒント: 問題演習で分からなかった言葉は必ず調べること。現代文のキーワード集を一冊用意し、基本的な語彙をインプットしましょう。
まとめ
以上、5つの原因を紹介しました。
現代文は決してセンスだけで解く科目ではありません。今回挙げたような問題点を一つずつ潰していくことで、あなたの読解力は必ず向上します。まずは自分がどのタイプに当てはまるのかを分析することから始めてみてください。
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