「英文法を勉強したのに、長文が読めるようにならない…」 「4択問題は解けるけど、なぜその答えになるか説明できない…」
単語と同じく、英文法学習で伸び悩む受験生は後を絶ちません。その最大の原因は、文法のルールを「知っている」だけで、長文読解や英作文で「使える」レベルにまで高められていないからです。
この記事では、単なる知識の詰め込みではない、あなたの英語力を根底から支える「本物の文法力」を養成する「1日50分」の学習戦略を解説します。このロードマップに従えば、文法学習は「苦行」から「英語を読み解く武器を手に入れる」というエキサイティングなプロセスに変わります。
英文法学習の「絶対的失敗パターン」
まず、多くの受験生が陥る非効率な学習法から脱却しましょう。
- いきなり問題集だけを解く: ルールの「なぜ?」を理解しないまま暗記に走り、応用が利かない。
- 文法が終わったら即、長文へ進む: ルールを「知っている」状態から、文章を「読める」状態への「橋渡し」が抜けている。
- 次々と教材に手を出す: 1冊の完成度が低いまま中途半端になり、知識が定着しない。
これらの失敗を避けるのが、今回紹介する方法論です。
1日50分で完成!「理解」と「実践」の最強サイクル
英文法学習の鉄則は、「単元ごと」に「理解」と「実践」を往復することです。学習時間を50分確保し、以下のサイクルで進めてください。
ステップ1:【理解】総合英文法書で「なぜ?」を潰す (例:『真・英文法大全』など)
まず、学習する単元(例:「仮定法」「分詞構文」など)について、総合英文法書をじっくり読み込みます。ここでの目的は「暗記」ではなく、「完全な理解」です。
- 「なぜ、ここでは過去形が使われるのか?」
- 「このルールは何のために存在するのか?」
といった理屈を徹底的に理解してください。この「なるほど!」という納得感が、忘れにくい強固な知識の土台となります。
ステップ2:【実践】英文法問題集で「解けるか」試す (例:『英文法ポラリス』シリーズなど)
ステップ1で理解した単元の問題を、すぐに英文法問題集で解きます。
- 理解したルールを使って、自力で正解を導き出せるかを確認します。
- もし間違えたり、迷ったりした問題があれば、絶対に放置しません。すぐにステップ1の総合英文法書に戻り、「なぜ間違えたのか」を理屈から復習してください。
この「理解(インプット)→実践(アウトプット)→即復習」のサイクルを、単元ごとに繰り返していきます。
知識を盤石にする「3周反復ルール」
ステップ1・2を全単元で終えたら「1周目」が完了です。しかし、ここで絶対にレベルを上げてはいけません。
2周目:全く同じ教材でもう1周する 1周目で時間をかけて理解した知識を、脳に定着させるフェーズです。レベルを上げず、全く同じ総合英文法書と文法問題集を使ってください。1周目とは比べ物にならないスピードで進むはずです。これにより、知識の定着度が格段に上がります。
3周目(理想):更にもう1周する ここまでやれば、文法の知識はほぼ盤石になります。2周目よりもさらに高速で回し、知識の瞬発力を高めましょう。
【最重要】文法学習の「次」に何をすべきか
英文法の3周が終わり、文法問題集(例:レベル1)が完璧になったとします。 ここで、多くの受験生が「次はレベル2の文法問題集だ」「次は英語長文だ」と考えてしまいますが、それが最大の落とし穴です。
英文法が終わったら、必ず「英文解釈」の学習を挟んでください。
これが志望校に合格する受験生と、伸び悩む受験生の決定的な差です。
- 英文法 = 単語やルールの「知識」
- 英文解釈 = 文法知識を使い、一文一文の構造(SVOC)を正確に把握し、訳す「技術」
- 英語長文 = 英文解釈の技術を使い、複数の文をスピーディーに読み解き、全体の意味を掴む「総合力」
英文法の知識(点)を、英文解釈という技術(線)で結びつける訓練をしなければ、いきなり英語長文(面)を読解することはできません。「なんとなく」のフィーリング読みから脱却するために、「英文解釈」は絶対不可欠なステップなのです。
レベル別学習の正しい進め方
以上のことから、英語学習は以下のような「横」の連なりで進めるべきです。
(誤った進め方 ✕) レベル1文法 → レベル2文法 → レベル3文法 → …
(正しいロードマップ 〇) レベル1の文法 → レベル1の英文解釈 → レベル1の英語長文 ↓ (ここまで終わったら初めて) ↓ レベル2の文法 → レベル2の英文解釈 → レベル2の英語長文
このように、各レベルで「文法→解釈→長文」のセットを完成させてから、次のレベルに進むこと。これが、学習した知識を「本物の読解力」に変える、最も堅実で効率的な戦略です。
1日50分の地道なサイクルと、正しい学習の順序。この2つが、あなたの英語力を根底から変革します。今日から、この戦略的なロードマップを実行に移しましょう。



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