「小説って、どう読めばいいのかわからない…」「どこに注目して読めばいいの?」
そう感じていませんか?物語の世界に没頭するのは楽しいけれど、いざ内容を整理しようとすると、どこが重要だったのかわからなくなる。
小説の読解において最も重要なのは、登場人物たちの「心」を正確に捉えることです。彼らが何を思い、何を感じているのか。その心の動きが物語の展開を動かし、テーマを形作っていきます。
この記事では小説を読む際にあなたの「読み方」を格段に深める、効果的な印のつけ方をご紹介します。問題を解くため、というよりも、物語をより深く理解し、登場人物の心情に寄り添うための「読書のヒント」として活用してください。
なぜ印をつけるのか?
小説は一度読んだだけでは見落としてしまうような繊細な心の動きや、伏線が散りばめられています。印をつけることで、
- 登場人物の心情の変化が視覚的にわかる
- 重要な部分を後からすぐに見つけられる
- 漫然と読むのではなく能動的に物語と向き合える
といったメリットがあります。特に心情表現に注目することで、物語の奥行きを深く味わうことができるようになります。
印をつけるのは「心情相当表現」だけ!
小説の物語は、登場人物たちの心の動きで成り立っています。 「彼らは今、何を考えているのか?」「なぜ、そんな行動をとったのか?」 この問いの答えを探すために、私たちが着目すべきは「心情相当表現」です。
心情相当表現とは、登場人物の感情を直接的、あるいは間接的に示す言葉や描写のこと。
例えば、「悲しい」「嬉しい」「怒り」といった直接的な心情を表す言葉はもちろん、「泣く」「笑う」「俯く」「顔を背ける」「ため息をつく」「拳を握りしめる」といった、その行動や表情から心情が垣間見える描写も、すべて心情相当表現と捉えます。
物語の展開や出来事そのものに印をつける必要はありません。あくまで、その出来事に対して登場人物が「どう感じ、どう反応したか」に絞って印をつけていきましょう。
主人公とそれ以外の人物でマークを使い分けよう
物語の核となるのは、やはり「主人公」の心情です。主人公の心の変化が、物語全体のテーマを浮き彫りにすることがほとんどだからです。
そこで、印をつける際には、主人公の心情相当表現とそれ以外の登場人物の心情相当表現とで、異なるマークや色を使い分けることをお勧めします。
マークの例
- 主人公の心情相当表現:波線(〜〜〜)
- 例:「彼は不安そうに空を見上げた」「彼女は喜びで胸がいっぱいになった」
- 主人公以外の人物の心情相当表現:直線(___)
- 例:「友人は心配げな声で話しかけた」「彼の父は怒りを露わにした」
このように使い分けることで物語を読み終えた後に本文を見返した際、主人公の心の軌跡がパッと視覚的に浮かび上がります。他の登場人物の心情と対比することで、より多角的に物語を理解する助けにもなるでしょう。
まとめ:物語の世界を深く味わうために
小説を読む際に、登場人物の「心情相当表現」に意識的に印をつける習慣は、あなたの読書体験をより豊かなものに変えてくれます。
この印のつけ方は、単に何かを「解く」ためのテクニックではありません。物語の作り手が描いた登場人物たちの繊細な心模様に読者として深く寄り添い、共感し、その世界を存分に味わうための「ガイド」のようなものです。
ぜひ、次に小説の問題を解くときには、是非とも「心情相当表現」に印をつけて読み進めてみてください。
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