【小説】「心を読み解く」印のつけ方!感情に寄り添う読解テクニック

「小説を読むと、なんとなく雰囲気はわかるけれど、設問になると解けない……」 「どこが重要なのかわからず、読み飛ばしてしまう……」

現代文、特に小説問題において、多くの受験生が陥るのが「なんとなく読み」です。評論文のような明確な論理構造が見えにくいため、感覚で読んでしまい、選択肢で迷わされるのです。 しかし、小説には小説特有の「鉄則のロジック」が存在します。それが「原因→心情→反応」のサイクルです

この記事では、漫然とした読書を得点に直結する「分析的な読解」へと進化させる、マーキング術(印のつけ方)を伝授します。これは単なる受験テクニックではなく、物語の核心に触れるための作業です

メソッド・データ

項目詳細
対象小説問題で点数が安定しない全受験生
目的登場人物の心情変化を「視覚的」に把握する
必要ツールシャープペンシル
効果「なんとなく読み」からの脱却、選択肢の正答率向上
キーワード心情相当表現(反応)

なぜ、印をつける必要があるのか?

小説の入試問題において、最も問われるのは「登場人物の心情」です。しかし、心情は常に「嬉しい」「悲しい」と直接書かれているわけではありません。

私たちは、登場人物の些細な仕草や表情、あるいは情景描写から、その裏にある感情を読み取る必要があります。印をつける(マーキングする)という行為は、流れていく物語を「静止画」として捉え直し、感情の証拠品を保全する作業なのです。

小説を支配する「3ステップの法則」

マーキングの前に、小説の構造を理解しましょう。小説の場面は、基本的に以下の3つのサイクルで動いています。

  1. 【原因】(出来事):何かが起きる、誰かに何かを言われる。
  2. 【心情】(内面):それによって心が動く(喜怒哀楽)。
  3. 【反応】(外面=心情相当表現):その心情が、表情・態度・行動に表れる。

重要なのは「心情」と「反応」!

入試現代文において、私たちが絶対に逃してはならないのが、2の「心情」と、3の「反応」です。 特に3の「反応」は、心情が具体化したものであり、これを「心情相当表現」と呼びます。

  • 直接的な心情語:「悲しい」「嬉しい」「腹立たしい」
  • 心情相当表現(反応):「俯く(悲しみ)」「小躍りする(喜び)」「舌打ちをする(怒り)」

この両方を等しく「心の表れ」として捉え、印をつけていくことが攻略の鍵となります。

「心を読み解く」マーキング・ルール

では、具体的な印のつけ方を解説します。ルールはシンプルですが、徹底することで読解の精度が劇的に向上します。

ルール①:「原因」には線を引かない

多くの受験生が「出来事(原因)」にまで線を引いてしまい、紙面が真っ黒になります。しかし、印をつけるのは「心情」と「心情相当表現(反応)」だけに絞ってください。

「原因」は、印をつけた箇所の「直前」にあることがほとんどなので、探せばすぐに見つかります。あえて線を引かないことで、逆に「心の動き」だけを際立たせるのです。

ルール②:主役と脇役でマークを変える

物語のテーマは「主人公の心情変化(成長)」に宿りますが、それを引き立てる「脇役の心情」も重要です。これらが混ざらないよう、線種を使い分けます。

  • 主人公の心情・反応波線( ~~~~~~)
  • それ以外の人物の心情・反応直線(ーーーーーー)

実践例:こうやって印をつける!

以下の例文を見てください。太字の部分が、実際にあなたがテキストで線を引くべき箇所です。

放課後の教室で、先生からテストの結果を返された。(←原因)

太郎は点数を見るなり、ガッツポーズをした(←反応:直線を引く)。

一方、隣の席の僕は、思わず目を伏せてしまった(←反応:波線を引く)。惨めだった(←心情:波線を引く)。

喉の奥が熱くなる(←反応:波線を引く)のを感じた。

【解説】

  • 「ガッツポーズ」は太郎(脇役)の喜びの反応なので、直線
  • 「目を伏せる」「喉が熱くなる」は僕(主人公)の辛さの反応(心情相当表現)なので、波線
  • 「惨めだった」は僕(主人公)の直接的な心情なので、波線

このように印をつけると、「太郎の喜び(直線)」と「僕の惨めさ(波線)」の対比が一目瞭然になります。

まとめ:物語の「心電図」を描き出せ

小説を読む際、このマーキングを行うことで、あなたのテキストには登場人物の「心の軌跡」が浮かび上がります。設問を解く際、「なぜ彼はこう言ったのか?」と問われたら、あなたが引いた波線を遡ってください。そこには必ず、その感情を引き起こした「反応(心情相当表現)」と、そのトリガーとなった「原因」が存在します。

漫然と文字を追うのをやめ、「感情の因果」を可視化する。この習慣がついたとき、小説の読解は「感覚」から「論理」へと進化します。

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