「英文法は完璧にしたはずなのに、一文が複雑になると訳せない…」 「SVOCを振る練習はしたが、結局『なんとなく』のフィーリング読みに戻ってしまう…」
これは「英文法(知識)」を習得した受験生が次にぶつかる巨大な「壁」です。この「壁」を突破し、文法知識を本物の「読解技術」に変えるための参考書が、今回ご紹介する『大学受験スーパーゼミ 徹底攻略 入門英文解釈の技術 70』です。
この記事では本書がなぜ「英文解釈」の学習に最適なのか、そして私が提唱する「2周学習サイクル」をどのように適用すれば、この一冊を完璧にマスターできるかを徹底解説します。
参考書データ
| 項目 | 詳細 |
| 書名 | 大学受験スーパーゼミ 徹底攻略 入門英文解釈の技術 70 |
| おすすめ度 | ★★★★★(星5) |
| メイン対象 | 大学受験生(共通テスト、日東駒専・産近甲龍レベル) |
| 修了目安時間 | 約44時間 |

なぜ『入門 英文解釈の技術70』がおすすめなのか?
本書は、英文法(点)と英語長文(面)をつなぐ「英文解釈(線)」の技術を学ぶために、これ以上ないほど最適化された一冊です。
メリット・おすすめする理由
- 「フィーリング読み」を許さない徹底した構造分析: 本書は「このthatは何?」「なぜ、ここは倒置が起きている?」といった、受験生が曖昧にするポイントを「70の技術」として明確にパターン化しています。すべての例文に詳細なSVOCと構文図解が載っており、これ以上ない「完璧な答え合わせ」を提供してくれます。
- 「基礎」からのスモールステップ: タイトルに「入門」とある通り、扱うテーマは初めて英文解釈をする人にとって適切なレベルです。最初から難しい問題に挑戦して挫折するのではなく、「これなら自力で分析できるかも」と思わせる絶妙なレベル設定が特徴です。
- 日東駒専・産近甲龍レベルに直結する網羅性: 本書の70テーママスターすれば、共通テストはもちろん、日東駒専・産近甲龍レベルの入試で出てくる複雑な一文の「構造がわからない」ということは、ほぼ無くなります。学習のロードマップにおける「レベル1の英文解釈」として、確実な土台を築き上げることができます。
デメリット・注意点
- 「英文法」が未完成だと進められない: これは本書の欠点ではなく「前提条件」です。「to不定詞の3用法を知らない」ような状態で本書に取り組んでも、「なぜ」が理解できず挫折します。必ず、英文法の基礎を終えてから入るようにしてください。
- これ一冊で「長文」が読めるようにはならない: 本書の目的は、あくまで「一文を正確に訳す技術」を学ぶことです。この本を終えただけでは、「パラグラフ全体の論理展開」や「速読」は身につきません。これは明確に「次のステップ」であり、本書はその「土台」作りに特化しています。
「2周学習サイクル」で『技術70』を44時間で制覇する
本書(全70テーマ)を約44時間で完璧にするには、「精読」と「速読」のサイクルが最も効率的です。
ステップ1(1周目):「分析フェーズ」で“なんとなく”を破壊する
目的:100%の正確さ(精読)の確立
- 自力でSVOC分析と和訳を行う(例:1テーマ10分) まずは参考書の解説を隠し、例題の英文に自力でSVOCや修飾関係(カッコ)を書き込みます。そして「直訳」に近い和訳ノートを作ります。
- 解説を熟読し、分析を修正する(例:1テーマ15分) 本書の最大の価値である「構文図解」と「解説」を読み込みます。「なぜ、自分はこの単語を主語だと思ったのか?」「なぜ、この句は動詞ではなく名詞を修飾するのか?」という「なぜ」を徹底的に潰します。もし分析が間違っていたら、それは「文法の知識不足」です。総合英文法書に戻り、「関係代名詞」「倒置」などの該当単元を復習します。
この1周目(分析フェーズ)が、44時間のうち最も時間のかかる(目安:35時間)重要なステップです。「フィーリングで正解した」を許さず、「なぜ、その構造になるのか」を他人に説明できるレベルで70テーマすべてを分析し尽くします。
ステップ2(2周目):「統合フェーズ」で“返り読み”を矯正する
目的:「直読直解」(速読の土台)の習得
- 構造を意識しながら「音読」する(目安:合計10〜15時間) ステップ1で完璧に構造を分析し、理解しきった英文(70文)のみを使います。
- 英語の語順でイメージを掴む (I bought / a book / yesterday.) 「私が買ったんだ / 一冊の本を / 昨日ね」 このように、前から意味のカタマリごとに理解していきます。ステップ1で構造を徹底的に分析しているので、これが可能なはずです。
この「精読(分析)」と「速読(統合)」のサイクルこそが、『技術70』のポテンシャルを100%引き出し、あなたの英語力を「知識」から「本物の読解力」へと変革させる鍵となります。
こんな人におすすめ!
- 英文法の基礎は終えたが、長文になると読めない人
- SVOCを振る練習をしたが、結局「フィーリング読み」に戻ってしまう人
- 共通テストで時間が足りなくなる、または内容一致問題で失点する人
- 日東駒専・産近甲龍レベルの英語で、確実に合格点を狙いたい人
まとめ
『入門 英文解釈の技術70』は、あなたの学習ロードマップにおける「英文解釈(レベル1)」、すなわち英語学習全体の「回転軸」として機能する最高の教材です。ぜひ、この記事で紹介した「2周学習サイクル」を用いて、地味な訓練を堅実にこなし、次のステップである「英語長文」へと進むための強固な土台を築き上げてください。




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