【評論】「論理を可視化する」印のつけ方!筆者の主張を逃さない読解テクニック

「評論文を読むと、途中で話の筋が見えなくなる……」「結局、筆者が何を言いたいのかわからない……」

現代文、特に評論問題において重要なのは「論理の追跡」です。小説のように感情の機微を追うのではなく、筆者が積み上げた「ロジックの骨組み」を正確に抜き出す作業が求められます。

この記事では、なんとなく文字を目で追うだけの読書から脱却し、筆者の主張を的確に捉えるための「分析的なマーキング術(印のつけ方)」を解説します。これは、文章の構造を浮き彫りにするための設計図のようなものです。

メソッド・データ

項目詳細
対象評論文の内容が頭に入らない、要約が苦手な全受験生
目的筆者の主張と論理展開を「視覚的」に把握する
必要ツールシャープペンシル(消せるもの推奨)
効果文章の要点が瞬時に分かり、解答の根拠が明確になる
基本ルール目印となる言葉を丸(○)で囲み、重要な内容に線(ー)を引く

なぜ、印をつける必要があるのか?

評論読解において最も避けるべきは「主観」です。自分の考えや想像を排除し、書かれていることだけを客観的に読み取る必要があります。

しかし、ただ漫然と読んでいるだけでは、重要な「主張」と、それを補強するための「飾り(具体例など)」が混ざってしまいます。印をつけるという行為は、情報の優先順位を整理し、筆者の思考回路を紙の上に再現する作業なのです。

評論を攻略する「3つのステップ」

評論のマーキングは、以下の3段階の意識で行います。

  1. 【骨格】:話の流れが変わる場所や、まとめの合図を見つける。
  2. 【主張】:筆者が「本当に言いたいこと(結論)」を見つける。
  3. 【強度】:主張の強さや、ニュアンス(理由・強調)を読み取る。

この順序に従って、具体的な印のつけ方(ルール)を見ていきましょう。

ステップ1:文章の「骨格」を見抜く(最重要)

文章全体の流れを決定づける、最も重要なサインです。ここを見落とすと内容を誤読します。

① 逆接(しかし・だが・ところが)

  • 印のルール:接続詞を丸(○)で囲み、後ろの主張部分に線を引く。
  • 機能:前の内容を否定または転換し、その直後に筆者の「本音」や「主張」が来ます。
  • ポイント:特に「段落冒頭」や「一般論の後」にある逆接は最重要チェックポイントです。(例)一般的にはAだと思われている。しかし実際はBである

② 要約(つまり・要するに・結局は)

  • 印のルール:接続詞を丸(○)で囲み、後ろのまとめ部分に線を引く。
  • 機能:「結局、何が言いたいの?」という問いへの答えが直後に示されます。
  • ポイント:ここさえ読めば段落の主旨がわかる、という決定的な箇所です。(例)つまり今日は最悪の一日だ

③ 具体例と抽象論(たとえば・このように)

  • 印のルール:具体例全体を括弧( )でくくり、抽象論(まとめ)に線を引く。
  • 機能:難しい話(抽象)を分かりやすく説明している部分です。
  • ポイント:具体例(括弧内)は速読して構いません。重要なのは、その前後にある「抽象論」です。(例)彼は優しい。(例えば……)。このように彼は思いやりがある

ステップ2:筆者の「主張」を発見する(重要)

論理の骨格の中で、筆者が特に力を込めている「結論」部分を特定するための標識です。

④ 否定構文(AではなくB)

  • 印のルール:否定の言葉(~ではなく)を丸(○)で囲み、肯定されている主張(B)に線を引く。
  • 機能:何かを否定することで、対になる「主張(B)」を強調します。
  • ポイント:否定されている内容ではなく、肯定されている側に線を引いて注目します。(例)大事なのは才能ではなく、努力することである

⑤ 対比・対照(Aに対して、B)

  • 印のルール:対比の言葉(~に対して)を丸(○)で囲み、主題となっている側の特徴に線を引く。
  • 機能:比較することで、片方の特徴を際立たせます。
  • ポイント:筆者がどちら(AかBか)を主題としているのかを意識します。(例)兄はインドアなのに対して、私はアウトドアだ

⑥ 疑問+回答(なぜ~か? ~からだ)

  • 印のルール:疑問詞(なぜ)を丸(○)で囲み、回答部分(~からだ)に線を引く。
  • 機能:筆者が自問自答する形式は、回答部分に強い主張が込められています。(例)なぜ我々は勉強するのか。それは、将来の道を増やすためだ

⑦ 定義・命名(~とは、~だ)

  • 印のルール:定義語(~とは)を丸(○)で囲み、定義の内容に線を引く。
  • 機能:その文章における「超重要キーワード」の宣言です。(例)親友とは、ダメな時に叱ってくれる人のことだ

ステップ3:主張の「強度・ニュアンス」を読む

主張を補足したり、説得力を高めたりするためのテクニックを見抜く標識です。

⑧ 譲歩(たしかに・なるほど・もちろん)

  • 印のルール:譲歩の言葉を丸(○)で囲むが、線は引かない。その後の逆接の後にある「筆者の本音」に線を引く
  • 機能:反対意見を一回認めるふりをして、その後の「しかし(逆接)」で自分の意見を強く言います。
  • ポイント:「たしかに」の部分は筆者の言いたいことではありません。その後の逆接以降を精読します。(例)たしかにスマホは便利だ。しかし使いすぎは時間の無駄だ

⑨ 強調表現(重要・本質・こそ・実は)

  • 印のルール:強調語を丸(○)で囲み、強調されている内容に線を引く。
  • 機能:筆者が直接的に「ここが大事」と叫んでいるサインです。(例)勝つために重要なのは、信頼だ

⑩ 主観表現(~と思う・~と言える)

  • 印のルール:文末の主観語(~と思う)を丸(○)で囲み、その意見全体に線を引く。
  • 機能:客観的な事実から、筆者個人の「意見」に切り替わる合図です。(例)結局自分の好きな服が一番だと思う

⑪ 反語(~ではないか・~ではなかろうか)

  • 印のルール:文末の反語表現を丸(○)で囲み、その文全体に線を引く。
  • 機能:疑問形の皮を被った、非常に強い「断定・同意の要求」です。(例)彼が勝つのも当然ではないだろうか(=当然だ!)。

⑫ 並列・列挙(第一に、第二に)

  • 印のルール:列挙の合図(第一に)を丸(○)で囲み、その内容の要点に線を引く。
  • 機能:理由や根拠を整理しています。(例)第一にデザインが可愛いこと第二に操作が簡単なこと

まとめ:客観的な「論理の地図」を作れ

評論読解におけるマーキングは、文章を「装飾」することではありません。筆者が構築した論理の「設計図」を浮き彫りにするための作業です。

  • 目印(接続詞など)を丸で囲み、次に何が来るかを予測する。
  • 具体例は括弧に入れ、重要な主張(抽象論)に線を引く。
  • 譲歩に惑わされず、その後の本音に線を引く。

このようにシンプルなルールで印をつけることで、主観を排除し、文章全体の「テーマ」と「結論」が自然と浮かび上がってきます。感覚で読むのをやめ、手を動かして「論理の地図」を描きながら読む。この習慣が、現代文の得点を劇的に安定させるはずです。

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