結論:普段は「夜型」でもいい。ただし「本番」は朝から始まる
世の中には「受験生は朝型であるべきだ」という言説が溢れています。しかし、私はあえて言いたい。学習時間を最大化するために普段の勉強が「夜型」の方が捗るなら、それで構いません。
静かな深夜の方が集中でき、記憶の定着を最大化できる生徒も確実に存在します 。高3生や浪人生が「コマ数」を稼ぎ、合格に必要な学習量を確保するためには、自分に馴染むリズムで進めることが最優先です。
ただし、一点だけ動かせない事実があります。入試本番は「朝」から始まるということです。 どんなに夜中に偏差値80の実力を発揮できても、午前9時の試験開始時に脳が眠っていては意味がありません。
なぜ「3週間」必要なのか?体内時計の科学的メカニズム
人間の体内時計(サーカディアンリズム)は、1日や2日で急激に変えることはできません。無理に1日で変えようとすると、ひどい時差ボケ状態になり、学習効率が著しく低下します。
科学的に見て、脳が完全に覚醒し、数学の複雑な計算や英語の長文読解で最高のパフォーマンスを発揮できるようになるのは、起床から約3時間後と言われています。
- 9:00試験開始の場合: 6:00には起床している必要がある。
この「6時起床・9時全開」の状態を、ストレスなく自然な習慣として定着させるために必要な期間が「3週間」なのです。
【第1週】「起きる時間」を15分ずつ前倒しする準備期
いきなり3時間早く起きようとしてはいけません。最初の1週間は「15分ずらし」に徹してください。
- ルール: 毎日、前日より15分だけ早く起き、15分だけ早く寝る。
- 狙い: 脳に「変化」を気づかせないレベルで、少しずつリズムをスライドさせます。
この時期はまだ夜型の名残があっても大丈夫です。大切なのは「無理のないスライド」です。
【第2週】「光と食事」で体内リズムを固定する同調期
2週目からは、身体の「同調因子」を強制的に活用します。
- 朝一番の「光」
- 起床直後にカーテンを開け、太陽光を浴びてください。これにより、夜に眠気を誘う「メラトニン」の分泌が止まり、14〜16時間後に再び眠くなるタイマーがセットされます。
- 朝食の「タンパク質」
- 卵や納豆などのタンパク質を摂取しましょう。体温を上げ、脳を「活動モード」に切り替えるスイッチになります。
【第3週】試験開始時間に「脳の最高出力」を出すシミュレーション期
最後の1週間は起床時間を6:00〜6:30に固定し、試験当日のスケジュールを完コピします。
- 9:00〜:最も思考力を使う「過去問」や「数学」の演習を入れる。
- 狙い:「この時間は頭をフル回転させる時間だ」と脳に学習させます。
この時期に「午前中が一番冴えている」という感覚を掴めれば、合格へ大きく近づきます。
最大の注意点:睡眠時間を削って朝型にするのは「本末転倒」
朝型に変える際、最もやってはいけないのが「寝る時間は変えずに、起きる時間だけ早くする」ことです。
睡眠不足は記憶の整理を妨げ、判断力を鈍らせます。学習時間を確保するために夜遅くまで頑張るのは、基礎固めの時期には有効ですが、直前期に睡眠を削ることは、自ら「負け癖」を呼び込むようなものです。
「早く起きるために、早く寝る」という、このシンプルな原則を徹底してください。
まとめ:時計を「入試標準時」に合わせ、1点をもぎ取る
成績を分けるのは、解いた問題の数だけではありません。当日にその実力を「100%発揮できる状態」を作れるかどうかが、最後の勝負を分けます。
- 普段は「最大効率」を優先して夜型でもOK。
- 入試3週間前から「入試標準時」への移行を開始する。
- 光と食事を味方につけ、起床3時間後にピークを持っていく。
あなたの学力を、最高のコンディションで答案用紙にぶつけてきてください。



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