早稲田・慶應義塾大学、あるいは旧帝国大学(東大・京大・阪大など)を志望する場合、文系であっても数学が合否を大きく左右します。これらの難関大では、単なるパターンの暗記だけでは太刀打ちできない「初見の問題に対する思考力」が問われます。
本記事では、難関大入試で確実に合格点を確保するための学習ルートを公開します。自分の現在の実力(全統模試の偏差値を一つの目安)に合わせてスタート地点を選び、着実にステップアップしてください。
【現状把握】あなたのスタート地点はどこ?(3つのパターン)
難関大を目指すからといって、いきなり難問に手を出してはいけません。自分のレベルに合わない演習は学習効率を著しく下げます。
| パターン | 現状のレベル感 | 全統模試 偏差値目安 |
| パターンA | 基礎計算 可能レベル 教科書の例題や公式は理解しており、基本的な計算はスムーズにできる。 | 45 〜 52程度 |
| パターンB | 日東駒専・産近甲龍 到達レベル 入試の基礎問題(標準的な頻出問題)は解けるが、MARCHレベルになると苦戦する。 | 52 〜 58程度 |
| パターンC | MARCH・関関同立 到達レベル 標準的な入試問題はほぼ完璧に解ける。より高度な思考力・実戦力を養いたい。 | 58 〜 65程度 |
- パターンAの人:『Super Quick』から開始し、B→Cへと進みます。
- パターンBの人:『文系の数学』2冊から開始し、Cへと進みます。
- パターンCの人:『ゴールデンルート』から開始。最難関レベルへの最終調整に入ります。

パターンA:入試基礎の高速処理(目安:148時間)
難関大の問題を解くための「武器」を揃えるフェーズです。計算スピードと典型解法の定着を徹底します。
使用参考書
- 『Super Quick 数学I・A』
- 『Super Quick 数学II・B・C』


進め方とポイント
- 反応速度を高める:問題を見た瞬間に、解法の1行目が書き出せる状態を目指します。
- 計算の正確性:難関大の記述試験において、計算ミスは致命傷となります。最後まで解き切る習慣をつけてください。
学習時間
- 数学I・A:68時間
- 数学II・B・C:80時間
- 合計:148時間
パターンB:入試標準・応用への橋渡し(目安:198時間)
入試における重要事項を網羅し、MARCHレベルの問題を確実に得点できる実力を養います。
使用参考書
- 『文系の数学 重要事項完全習得編』
- 『文系の数学 実戦力向上編』


進め方とポイント
- 重要事項の完遂:まずは『重要事項完全習得編』で、漏れをなくします。
- 思考の言語化:『実戦力向上編』では、なぜその解法を選択したのか、解答のプロセスを論理的に説明できるようにします。
学習時間
- 重要事項完全習得編:107時間
- 実戦力向上編:91時間
- 合計:198時間
パターンC:難関大演習・最高峰の完成(目安:268時間)
いよいよ早慶・旧帝大レベルの演習に入ります。ここでは「志望校」によって取り組み方が異なります。
使用参考書
- 『大学入試問題集 ゴールデンルート 数学1A・2B 応用編』
- 『文系数学の良問プラチカ 数学I・A・II・B・C』


進め方とポイント(大学別の注意点)
- 大阪大学レベルまで
- 『ゴールデンルート 応用編』を完璧に仕上げることを優先してください。ここまでの内容が定着していれば、十分に合格点を狙えます。
- 京都大学・東京大学レベル以上
- 『プラチカ』まで取り組む必要があります。非常に難度の高い問題が含まれていますが、難関大特有の視点や発想を学びます。
- 時間がない・数学が苦手な京大レベル以上の志望者の場合
- 『プラチカ』を全問解く必要はありません。志望校の過去問を分析し、頻出分野(例:微積分、確率、数列など)に絞って演習を行ってください。
学習時間
- ゴールデンルート 応用編:56時間
- 文系数学の良問プラチカ:212時間
- 合計:268時間
各パターンの合計所要時間と学習スケジュール
あなたのスタート地点からゴールまでの総学習時間の目安です。(1日3時間学習した場合)
| スタート地点 | 合計時間 | 期間目安 | 学習の流れ |
| パターンA | 614時間 | 約 7ヶ月 | Super Quick(148h) → 文系の数学(198h) → C(268h) |
| パターンB | 466時間 | 約 5ヶ月 | 文系の数学(198h) → C(268h) |
| パターンC | 268時間 | 約 3ヶ月 | ゴールデンルート(56h) → プラチカ(212h) |
このルートを終えた「次」の動き
- 志望校の過去問演習(赤本)
- 最優先事項です。特に旧帝大や早慶は、問題のクセが非常に強いです。時間配分、記述の書き方、捨てるべき問題の見極めを過去問で徹底的に訓練してください。
- 弱点補強
- 過去問で解けなかった分野がある場合、その単元だけ『文系の数学』や『ゴールデンルート』に戻って復習します。
まとめ
早慶・旧帝大の合格に必要なのは、決して「特殊な才能」ではありません。基礎から一段ずつ、論理的な解法を積み上げていく「誠実な学習」です。
阪大レベルまでなら『ゴールデンルート』までの徹底で十分戦えますし、京大レベルなら『プラチカ』で思考の限界を広げる必要があります。現状を正しく把握し、地に足をつけて一歩ずつ進んでいきましょう。



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