
結論:E判定という「文字」ではなく「数字」を見て
共通テストリサーチ(判定)が返却された瞬間、目の前の「E」という文字に絶望し、思考停止で志望校を下げてしまう受験生がいます。しかし、これはあまりにも勿体ない判断です。
実は、E判定からの合格は珍しいことではありません。
重要なのは、それが「無謀な特攻」なのか、それとも「勝算のある挑戦」なのかを見極めることです。その分かれ道となる3つの決定的な違いを解説します。
違い①:配点比率と「逆転可能な点差」の計算ができているか
E判定でも出願すべき人は、「二次試験(個別試験)の配点比率が高く、具体的な点差を把握している人」です。
出願すべき人(GO)
- 二次試験重視型である
- 共通テストの配点が低く、二次試験の配点が高い大学(例:共テ400点:二次800点)を志望している場合、共テのビハインドは相対的に小さくなります。
- 「1科目あたりの負担」が現実的
- ボーダーライン(C判定)までの点差を計算し、それを二次試験の科目数で割ってください。「1科目あたりあと10点〜15点」の上乗せで届くなら、逆転は十分に射程圏内です。
下げるべき人(STOP)
- 逃げ切り型の大学である
- 共通テストの配点比率が高く、二次試験で挽回する余地が少ない大学の場合、ここからの逆転は物理的に困難です。
- 挽回に必要な点数が異常
- 計算した結果、二次試験で「ほぼ満点」や「合格者平均を遥かに超える点数」が必要になる場合は、潔く撤退すべきです。
ポイント:「E判定」という文字に怯えるのではなく、「あと何点必要か」という絶対値で判断してください。
違い②:二次試験(過去問)との「相性」と現状の完成度
偏差値が足りていなくても、問題との相性が良ければ番狂わせは起きます。逆に、基礎学力が高くても相性が悪ければ、挽回は不可能です。
出願すべき人(GO)
- 記述模試の判定が良い:マーク模試が悪くても、記述模試でC判定以上を取れているなら、あなたは「二次力」があるタイプです。
- 過去問(赤本)の手応えが良い:実際に過去問を解いてみて、合格最低点に近い点数が現時点で取れている、あるいは「傾向が自分に合っていて解きやすい」と感じる場合。
- 得意科目で勝負できる:二次試験の科目が、自分の得意科目(特に英語や数学など差がつきやすい科目)に偏っているなら、大量得点でひっくり返せる可能性があります。
下げるべき人(STOP)
- 記述模試もずっとD〜E判定:マークも記述も振るわなかった場合、基礎学力そのものが不足している可能性が高いです。
- 過去問で手も足も出ない:合格最低点と3割以上の乖離がある場合、残り1ヶ月でその差を埋めるのは至難の業です。
- 二次に苦手科目がある:二次試験で守りに入らなければならない科目がある場合、逆転に必要な「爆発力」が期待できません。
違い③:「背水の陣」のリスクヘッジ(滑り止め・浪人覚悟)
これは戦略というより「覚悟と環境」の問題ですが、メンタルは当日の点数に直結します。「落ちたら終わり」という精神状態では、実力の半分も出せません。
出願すべき人(GO)
- 納得できる「滑り止め」がある:既に合格を確保している、または確実に確保できる自信がある場合、精神的な余裕を持って本命に挑めます。
- 浪人への覚悟がある:「最悪、浪人しても良い」「ランクを下げた大学に行くくらいなら浪人を選ぶ」という強い意志と、親の許可がある場合。
下げるべき人(STOP)
- 「絶対に現役合格」が条件:経済的理由などで私立進学が難しく、かつ浪人もできない場合、E判定への出願はリスクが高すぎます。
- 確実な合格が欲しい:後期試験や私立に行くよりも、ランクを下げてでも「国公立合格」の安心を優先したい場合。
【判断用まとめ】逆転合格マトリクス
今の自分の状況を、以下の表に当てはめてみてください。
| 項目 | GOサイン(出願検討) | STOPサイン(変更推奨) |
| 配点 | 二次試験重視(逆転型) | 共通テスト重視(逃げ切り型) |
| 点差 | 1科目あたり+5〜10%程度で届く | ほぼ満点が必要、または非現実的な高得点 |
| 過去問 | 合格点が見えている・相性が良い | 全く歯が立たない・傾向が苦手 |
| 模試 | 記述模試は良かった(ドッキングC以上) | 記述模試も悪かった |
| 状況 | 浪人OK または 併願校確保済み | 絶対現役 & 私立NG |
まとめ:特攻は「ギャンブル」ではなく「投資」であるべき
E判定からの出願は、運任せのギャンブルであってはいけません。自分の「二次力」と「リスク許容度」を天秤にかけた上での、勝算ある「投資」であるべきです。
- 正確な「必要点数」を計算する。
- 過去問を解き、相性を肌で感じる。
- 最悪のケース(不合格)を受け入れる覚悟を決める。
この3つが揃った時、E判定は「不合格通知」ではなく、「ここからが本番」という合図に変わります。周りの雑音に惑わされず、数字と自分の実力だけを信じて決断してください。
次にあなたがやるべきこと
今すぐ志望大学の配点を調べて「ボーダーラインまであと何点必要か」を計算し、それを「二次試験の科目数」で割ってください。その数字が「過去問で取れそうな点数」なら、出願の準備を始めましょう。



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