【メンタル】「あいつを見返したい」「落ちるのが怖い」…消えない心の傷との付き合い方

「勉強に集中しなきゃいけないのに、ふとした瞬間に去年の不合格通知が頭をよぎる」 「学校で顔を合わせる“あの人”がどうしても許せない。あいつよりいい大学に行かないと気が済まない」

受験勉強は、単なる学力勝負ではありません。机に向かっている間、あなたの頭の中では、数式や英単語だけでなく、ドロドロとした感情や、忘れようとしても消えない「心の傷」との戦いが繰り広げられているのではないでしょうか

特に秋から冬にかけて、プレッシャーが高まるとこうした感情は暴走しやすくなります。今回は、多くの受験生が抱え込み、誰にも言えずにいる「消えない心の傷」や「負の感情」との、現実的な付き合い方についてお話しします

受験生を蝕む「過去の失敗」と「人間関係」の闇

受験生の悩みは、成績のことだけではありません。むしろ、勉強の手を止める原因の多くは、心の中に渦巻く「執着」や「恐怖」です。

浪人生の場合:過去のトラウマ

浪人生にとって、去年の「不合格」の記憶は強烈なトラウマになりがちです。模試を受けている時、ふとした瞬間に去年の受験会場の空気や、合格発表の瞬間の絶望感がフラッシュバックし、「またダメだったらどうしよう」という強烈な焦燥感に襲われることがあります。

現役生・浪人生共通:人間関係と復讐心

「嫌いな奴よりもいい大学に行きたい」「先生や親を見返してやりたい」 こうした怒りや嫉妬は、実は受験生にとって非常にポピュラーな感情です。これをエネルギーに変えて頑張れるうちは良いのですが、ふとした瞬間に「あいつの顔」が浮かび、怒りで勉強に手がつかなくなったり、過度な偏差値至上主義に陥って自分を追い詰めたりしてしまうのです。

「環境を変える」「気にしない」…それができれば苦労しない

こうした悩みに対し、よくあるアドバイスとして次のようなものがあります。

  • 「他人と比較しても意味がない。自分のことに集中しよう」
  • 「偏差値だけが価値じゃない。価値観を変えよう」
  • 「嫌な環境なら、そこから逃げ出せばいい」

これらは正論です。しかし、受験生という立場でこれを実行するのはあまりにも難易度が高すぎます。 今の学校や予備校を辞めて環境をガラリと変えるのは、受験直前期にはリスクが大きすぎますし、長年染み付いた「いい大学へ行きたい」という価値観を、今すぐ手放すことなどできません。

「気にしないようにしよう」と思えば思うほど、脳はそのことを意識してしまい、余計に忘れられなくなるものです。

唯一の解決策は、その感情を「否定せず、受け入れる」こと

では、どうすればいいのでしょうか。 環境も変えられない、価値観もすぐには変わらない。そんな状況でできる唯一にして最大の解決策は、「自分の心の動きを、ただ認めてあげること」です。

感情に蓋をしない

「あいつが憎いなんて思っちゃダメだ」「怖がっている場合じゃない」と自分の感情を否定しないでください。否定すればするほど、その感情は心の奥底で膨れ上がります。

そうではなく、客観的に自分を実況中継してみてください。

  • 「あ、今自分は、去年のことを思い出して手が震えるほど怖がっているな」
  • 「私は今、あいつに対して猛烈に腹が立っているんだな」

「そうか、自分は今、辛いんだな」と認めてあげるだけで、不思議と心の嵐は少しずつ穏やかになります。ネガティブな感情を持つ自分を許してあげてください。それは、あなたが本気で戦っているからこそ生まれる感情なのですから。

一人で抱え込まず、然るべき相手に「吐き出す」

自分の感情を受け入れるプロセスを助けてくれるのが、「誰かに話す」という行為です。

「ナナメの関係」の人に頼る

家族や友人には、近すぎて話しにくいこともあるでしょう。友人も同じ受験生であれば、余計な気を使わせてしまうかもしれません。 そこでおすすめなのが、塾の先生や、学校の信頼できる先生など、「少し距離のある大人(ナナメの関係)」です。

彼らはあなたの合格を願っていますが、親兄弟のような感情的なしがらみはありません。プロの視点から、あなたの不安や怒りを冷静に受け止めてくれるはずです。「勉強の質問」のついでに、「実は最近、集中できなくて…」と少しだけ弱音を吐いてみてください。それだけで、背負っている荷物が驚くほど軽くなることがあります。

【重要】心が限界を迎えた時は

ただし、もしも食事が喉を通らない、夜眠れない、涙が止まらないなど、心身に明らかな異常が出ている場合は別です。その時は、「受験を諦める」「環境を無理やりにでも変える」という選択肢も視野に入れてください。大学受験は人生の通過点に過ぎません。あなたの心と体が壊れてまで守るべきものではないことを、忘れないでください。

まとめ

  • ネガティブな感情は消そうとしない。 「見返したい」「怖い」と思う自分を許す。
  • 環境や価値観を無理に変えようとしない。 今の自分のままで、感情と共存する道を探す。
  • 「受容」がカギ。 「自分は今、怒っているんだな」と認めるだけで楽になる。
  • 信頼できる第三者に話す。 先生やメンターを頼り、心の毒を外に出す。

心にある傷や怒りは、無理に忘れようとすればするほど、あなたを苦しめます。 「そんな汚い感情を持っていてもいいんだ」と自分に許可を出してあげてください。その受容こそが、絡まった糸を解き、再びペンを握る力になるはずです。

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