【現代文】評論文の「4つの型」を完全攻略!文章構成を見抜く読解技術

「文章を読んでいると、途中で筆者の主張がわからなくなる」「なんとなく読めている気はするけれど、要約しようとすると言葉に詰まる」

現代文、特に評論文の読解において、多くの受験生が抱える悩みです。実は、入試に出題される評論文には、いくつかの決まった「型(パターン)」が存在します。これを知っているだけで、文章の展開予測が可能になり、読解のスピードと精度は格段に向上します。

本記事では、評論文で頻出する「4つの論理構成」を解説します。ただし、これらの技術はあくまで補助輪です。記事の後半では、この「型」に頼りすぎることの危険性と、本当に優先すべき「1文1文の解析」についても触れていきます。

評論文の大まかな書かれ方:4つの基本パターン

評論文は、筆者が読者に対して自身の主張を論理的に伝える場です。その伝え方には、主に以下の4つのパターンがあります。

1. 対比型(二項対立)

最も頻出する王道のパターンです。2つの異なる概念を並べ、その違いを際立たせることで筆者の主張を浮き彫りにします。多くの場合、対立軸を作ることで、「筆者がどちらを重視しているか」が明確になります。

  • 構造:「A(旧来・西洋・科学・普遍)」 vs 「B(現代・日本・身体・特殊)」
  • 特徴:筆者は基本的に B(後者・日本・身体など)の方を肯定 します。または、現代の問題点を指摘するためにBを否定的に扱うケースもありますが、AとBの差異に注目することが重要です。
  • 見極めポイント:「一方」「それに対して」「〜ではなく」といった対比を表す接続詞や表現に注目してください。

2. 異議申し立て型(常識批判)

世間一般で「正しい」と思われている常識(通説)を提示し、それを筆者が「いや、実はそうではない」とひっくり返すパターンです。「逆転の論理」とも呼ばれます。

  • 構造:「一般論(常識)」 → 「しかし(転換・批判)」 → 「筆者の持論(真理)」
  • 特徴:最初に書かれていることは、筆者が「否定したい内容」であることが多いです。ここを筆者の主張と勘違いしないよう注意が必要です。
  • 見極めポイント:「一般に〜と言われている」「確かに〜だ。しかし〜」という譲歩(一旦認める)からの逆説の構文を探しましょう。

3. 問題提起・解決型

ある現象や社会問題を取り上げ、その原因を深く分析し、最終的に解決策や新しい視点を提示するパターンです。

  • 構造:「問い(なぜ?)」 → 「原因分析」 → 「答え(解決策・提言)」
  • 特徴:序盤に「?」が提示されます。読解は、その「?」に対する「!」(答え)を探すゲームだと考えると構造が見えやすくなります。
  • 見極めポイント:疑問文の有無と、終盤に出てくる「〜すべきだ」「〜が必要だ」という強い断定表現に注目してください。

4. 概念定義・深化型

特定のキーワード(例:「贈与」「記憶」「レジリエンス」など)について、多角的な視点から説明を積み重ね、その本質に迫るパターンです。明確な対立軸がないため、難解に感じることがあります。

  • 構造:「キーワードの提示」 → 「具体例A・B・C」 → 「本質のまとめ」
  • 特徴:抽象度が高くなりがちです。具体例が何を説明するために出されているのか、その共通項(抽象化された意味)を理解する力が必要です。
  • 見極めポイント:同じキーワードが何度も形を変えて(言い換えられて)登場します。「つまり」「要するに」といったまとめの接続詞が鍵となります。

評論文を「森」で捉えるための比較表

筆者の狙い読解のコツ
対比型違いを明確にして価値を示すどちらをプラス(肯定)で捉えているか分ける
異議申し立て型固定観念を打ち破る「逆転の論理」がどこで起きるか見つける
問題提起型新しい視点を与える「問い」と「答え」を線で結ぶ
概念定義型本質を理解させる難しい言葉が何に言い換えられているか追う

【重要】「森」を見る前に、「木」を直視せよ

ここまで文章全体の構成(=森)について解説してきましたが、ここで一つ、非常に重要な注意点があります。

それは、「全体像(森)ばかり気にして、1文1文の解析(木)をおろそかにしてはいけない」 ということです。

「なんとなく」の理解は誤読の元

「これは対比型だから、次はBの話が来るはずだ」と予測すること自体は有効です。しかし、それに頼りすぎて、目の前の1文を正確に訳すことをサボってはいけません。

1文1文を無視して、「パターン当てはめ」で読んでしまうと、筆者が微妙にニュアンスを変えてきた時や複雑なレトリックを使った時に、決定的な誤読を招きます。

優先順位は常に「精読 > パターン」

パターン認識は、あくまで「正確に読めている」という前提の上に成り立つツールです。

  1. 1文を正確に解析する(精読・ミクロの視点)
  2. 正確に読めた文がつながり、段落の意味をつかむ
  3. 段落ごとのつながりが見え、初めて「型」が判明する(全体把握・マクロの視点)

この順序を間違えないでください。「木」を一本一本丁寧に観察できない人間に、豊かな「森」の姿を正しく捉えることは不可能です。

まとめ

国公立や難関私大の現代文を攻略するためには、今回紹介した「4つの型」を知っておくことが大きな武器になります。しかし、その武器を使いこなすためには、土台となる「1文を正確に読み解く力」が不可欠です。

もしあなたが、「テクニック本を読んでも点数が伸びない」「感覚で解いてしまって安定しない」と悩んでいるなら、それは「型」を知らないからではなく、基礎的な「精読力」が不足しているからかもしれません。

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「なんとなく」の読解を排除し、1文1文の構造解析から徹底的に指導します。まずは確かな「木」を見る目を養い、その上で「森」を見渡す論理的思考力を鍛え上げます。

論理に基づいた再現性のある読解力を身につけたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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