模試の結果に踊らされて「基礎」を飛ばしていませんか?
模試が返却されたとき、多くの受験生は「偏差値」や「失点した箇所」にばかり目を奪われます。「今回は英作文で大きく点を落とした」「長文読解がボロボロだった」といった結果を見て、焦りを感じるのは当然です。
しかし、ここで多くの人が致命的な判断ミスを犯します。それは、「英作文が悪かったから、英作文の問題集をやろう」「長文が読めなかったから、長文演習を増やそう」という、安直な「対症療法」に走ることです。
はっきり言います。基礎が固まっていない状態で応用分野に手を出すのは、時間をドブに捨てるようなものです。
【具体例】英単語も覚えずに「英作文」対策をする愚行
例えば、英語の模試で英作文が壊滅的だったとしましょう。この時、「英作文の参考書を買って対策しよう」と考えるのは正しいでしょうか?もしあなたが英単語帳を1冊も完璧にしておらず、英文法の理解もあやふやな状態だとしたら、それは言語道断です。
英作文とは、頭の中にある「英単語」と「文法知識」を組み合わせてアウトプットする作業です。材料(単語・文法)がないのに、料理(作文)を作ろうとしても不可能です。 単語も文法も入っていない状態で英作文の問題集に取り組むことは、「レンガもセメントもないのに家を建てようとする」のと同じです。いくら時間をかけても、何も積み上がりません。
勉強は「積み木」である:基礎なしに応用は乗らない
学習において最も重要な視点は、各単元の「つながり」を意識することです。
確かに、理科や社会の一部など、分野が完全に独立しているケースであれば、苦手な単元だけをピンポイントで補強することは有効です。しかし、主要教科(特に英語や数学)の多くは、単元同士が密接にリンクしています。
英語の構造(積み上げ型)
- 英単語・熟語(基礎体力)
- 英文法・構文(ルール)
- 英文解釈(精読力)
- 長文読解・英作文(応用・実戦)
この順番を無視して、「長文を読まなければいけないから」といって、単語も覚えていないのに長文問題集へ特攻するのは絶対にやめてください。知らない単語だらけの文章をただ眺めるのは、勉強ではなくただの「暗号解読ごっこ」です。それでは偏差値は1ミリも上がりません。
「参考書ルート」が存在する本当の意味
多くの塾や予備校が公開している「参考書ルート」には、明確な意図があります。それは単なるおすすめ本のリストではなく、「知識が無理なく積み上がる論理的な順序」を示しているのです。
ルート作成者は、どの単元がどの単元の前提になっているかを熟知しています。「今、模試の点数が悪いから」という理由だけで、自分の判断でルートを無視して実力に見合わないハイレベルな参考書や特定の分野別問題集に手を出すことは、この論理的なハシゴを自ら外す行為です。
「急がば回れ」が最強の最短ルート
基礎を飛ばして目先の点数を取りに行くと、結局はどうなるでしょうか。
解説を読んでも基礎用語がわからないため理解に時間がかかり、さらにその場しのぎの暗記で乗り切ろうとするため、少しひねった問題が出ると太刀打ちできなくなります。結果として、成績が伸び悩み、最終的に基礎からやり直す羽目になるのです。これこそが、最も非効率な「大回り」です。
逆に、英作文ができなくても、まずはグッとこらえて単語と文法を完璧にする。遠回りに見えますが、基礎さえ固まれば、その後の応用・演習の吸収スピードは段違いに早くなります。
まとめ
- 失点した箇所だけを見て、安易に対策問題集に飛びつかない。
- 英語や数学は「積み上げ型」。下の段(単語・文法)がスカスカなら、上の段(長文・作文)は絶対に組み上がらない。
- 「参考書ルート」は学習の論理的順序。自分勝手な判断でショートカットしようとしない。
- 基礎への回帰こそが、合格への最短ルートである。
「今の自分に本当に必要なのは、演習なのか? それとも基礎の徹底なのか?」 模試の結果が悪かった時こそ、冷静にこの問いを自分に投げかけてください。


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