世界史の学習は、機織り(はたおり)に似ています。
- タテ糸(通史):各地域(中国、ヨーロッパ、イスラームなど)ごとの時間の流れ。
- ヨコ糸(同時代史):同じ時代に世界で何が起きていたかという繋がり。
多くの受験生が失敗するのは、「タテ糸(各国の流れ)が張られていないのに、いきなりヨコ糸(同時代の繋がり)を通そうとする」からです。これでは布は織れません。まずは地域ごとのストーリーを固め、その後に時代ごとの横串を刺す。この順序が絶対です。

ステップ1:タテの歴史【地域別通史】
まずは世界全体を見ようとせず、地域ごとに切り分けてストーリーを理解します。「ヨーロッパ史」「中国史」といった別々の科目を勉強する感覚でOKです。最低3周を目標にします。
【攻略の鉄則】
- 「地域」を固定して一気に通す
- 教科書はページをめくると地域が飛びますが、学習時は飛びません。「今は中国史!」と決めたら、殷から清まで一気に流れを頭に入れます。
- 「地理」をサボらない
- 世界史が苦手な人の9割は、地図が頭に入っていません。「フランク王国がどこにあるか」「長安はどこか」を地図帳で指させるようにしながら進めます。場所がわからない歴史は、ただの記号の羅列です。
ステップ2:解像度アップ【用語暗記・地図】
タテの流れ(骨組み)ができたら、用語(肉)を付けていきます。日本史と違い、カタカナ用語や似たような名前の王が多く登場するため、工夫が必要です。
【攻略の鉄則】
- 目標周回数:最低6周
- 「一問一答」を使用しますが、必ず「場所(地図)」とセットで覚えます。「アクティウムの海戦」という単語を見たら、地中海のどのあたりかイメージできるようにします。
- 「カタカナ」への耐性をつける
- 長いカタカナ名は、リズムや意味で区切ります(例:プロノイア制、アケメネス朝)。また、王朝の順番(殷・周・秦・漢…)などは、リズムに乗せて九九のように暗唱できるまで繰り返します。
ステップ3:ヨコの歴史【同時代史・結合】
ここが世界史の最難関であり、最も差がつくポイントです。ステップ1・2で張った「タテ糸」に、世紀ごとの「ヨコ糸」を通します。
【攻略の鉄則】
- 「世紀」の感覚を持つ
- 「13世紀」と言われたら、「モンゴル帝国がユーラシアを繋いだ」「十字軍の終わり」「鎌倉幕府」といったキーワードが同時に浮かぶようにします。
- 「接触」に注目する
- 異なる地域が交わるタイミング(戦争、交易、宗教伝播)は入試の頻出ポイントです。「タラス河畔の戦い(唐 vs アッバース朝)」のように、地域Aと地域Bが交差する点を重点的にマークします。
ステップ4:論理的構築【論述・過去問】
難関大の入試では、単なる知識ではなく「グローバルな因果関係」を問う論述問題が出題されます。
【攻略の鉄則】
- 目標周回数:3周
- 「大航海時代がもたらした世界的な影響は?」のように、経済・環境・政治がどう連鎖したかを説明する訓練をします。
- 「タテ×ヨコ」の視点切り替え
- 過去問演習では、設問が「ある国の変化(タテ)」を問うているのか、「国際関係(ヨコ)」を問うているのかを瞬時に見極める練習をします。
まとめ:世界史は「座標」で解く
- まずは「地域ごとのタテの流れ」を完璧にする(地図必須)。
- 次に「世紀ごとのヨコの繋がり」で視点を広げる。
- 最後に「タテ×ヨコ」を組み合わせて論理を構築する。
世界史は範囲が膨大に見えますが、日本史ほど「微細な暗記」は求められません。その代わり、ダイナミックな「つながり」が見えた瞬間、一気に点数が跳ね上がる科目です。



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